腸活にアロエっていいの?
アロエ―。
かなり昔から健康食品として有名です。ヤケドや便秘解消にアロエがいい、という話を聞いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。ヨーグルトなどに入って売られている商品もあり、日常的に目にしている機会もけっこうあるかもしれませんね。
このアロエには、食品として適しているアロエと、そうでないアロエがあるのはご存じですか。
今回は、太古の昔より人びとを魅了したアロエに注目してまいります。
食用に適したアロエは果肉のゼリー部分。
「アロエ」は、世界中に品種がある科多肉植物です。古くは観賞用として人びとから親しまれていました。
多品種あるアロエのうち食べられるのが「アロエベラ」です。アロエベラは部位によって食用のほかく薬用として使用されてます。
アロエベラの特徴は、厚い葉っぱと、食べたときにアロエ特有の苦みが少ないこと。アロエベラの可食部は、葉ではなく、葉の表面を取り除いた中のゼリー状の部分です(アロインという成分を取り除いたもの)。粘り氣を伴うツルンとした食感で、ヨーグルトと合わせたり、ジュースにしたりして食べることができます。
アロエベラは難消化性の食物繊維を含んでいて、腸内の善玉菌のえさとなるなどして腸内環境のバランスを整えてくれる働きがあります。さらに、一緒に摂取した栄養素や栄養成分の働きを助けてくれることも近年の研究でわかっているようです。
アロエのアロインには注意が必要。
健康食品としてその名を馳せるアロエですが、「アロイン」には注意が必要です。アロインは、アロエの葉の成分に含まれている成分で、アントラキノン系に属しています。アントラキノン系というのは、緩下作用がある、刺激性の下剤に用いられる成分です。
刺激性の下剤は、大腸神経叢を刺激して大腸の蠕動運動を起こしてくれるため、使い始めは有効性を感じますが、長期間服用すると習慣化しやすくなるリスクがあります。
使い続けた結果、大腸の自立的な蠕動運動が低下、徐々に薬が効かなくなって(≒耐性化)、服用量がどんどん増加(≒依存性)する可能性が出てきます。
それだけではありません。長期間の服用によって、大腸の粘膜が黒っぽくなったり(大腸メラノーシス)、張りや弾力性に乏しい大腸になってしまうこともあるのです。
果肉部分は安全性が高いアロエですが、葉の部分に含まれる「アロイン」には注意が必要ということです。
アロエを口にするときは成分表示を確認してからにしてくださいね。
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